無許可民泊に関する罰金・規制強化を徹底解説します!

[記事公開日]2017/03/16
[最終更新日]2017/03/17
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違法民泊の罰則罰金

2017年3月7日に旅館業法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。

今回の改正案で一番大きなポイントは罰則の強化があげられます。

今まではどのような罰則があって、その罰則がどのように強化されたのかを判りやすくご説明したいと思います。

 

旅館業違反の罰則とは

旅館業法の罰則ホテルや旅館以外にも民泊のように「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」をする場合は旅館業法という法律に基づいて、旅館業の営業許可を取得しなければいけません。

(旅館業法に関しましては『旅館業法とは』をご参照下さい)

旅館業の許可をとらずに「宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業」をした場合、旅館業法違反で罰金などの罰則の対象となります。

昭和23年に旅館業法が出来て以来、今回の改正案が出るまでの旅館業法違反の罰則の上限は罰金3万円でした。

 

旅館業法の罰則

今回の違法民泊などの旅館業法違反者に対しての罰則強化は「罰金の引き上げ」と「調査権限の付与」の2点があります。

それでは、どのような違反行為にたいして、どのように罰則が強化されたのかを、それぞれ詳しくみていきましょう。

 

旅館業法違反の罰金

今回の改正での罰金の引き上げとなる旅館業法の違反行為には2種類の違反行為があります。

一つは、旅館業の営業許可を受けずに無許可で営業をおこなう違反行為です。

もう一つは、旅館業の営業許可は受けていて、旅館業の運営上で旅館業法の規定を違反する行為です。

 

無許可での営業

2017年3月16日現在では旅館業法の罰則は以下のようになってます。

旅館業法 第十条
左の各号の一に該当する者は、これを六月以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。
一  第三条第一項の規定に違反して同条同項の規定による許可を受けないで旅館業を経営した者
二  第八条の規定による命令に違反した者

「第三条第一項の規定に違反して同条同項の規定による許可を受けないで旅館業を経営」というのは、旅館業の営業許可を受けずに無許可で営業するような場合です。

「第八条の規定による命令に違反」というのは、旅館業法を違反して免許の取り消しや営業停止を命じられたにも関わらず、それに従わずに営業を続けるような場合です。

こういった違反行為をおこなった場合、今までは罰金の上限が3万円でしたが、改正後は上限が100万円と大幅に引き上げられました

 

罰金と懲役の両方もありえる

今回の改正案の変更点を見てみると上記の第十条一項は以下のように書かれています。

旅館業法改正案 第十条

次の各号のいずれかに該当する者は、これを六月以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

旅館業法の一部を改正する法律案新旧対照条文(平成29年3月7日提出)

今までは六ヶ月以下の懲役か3万円以下の罰金でしたが、今後は懲役と罰金の両方を科せられる可能性もあるということです。

細かい点ですが、罰則を強化しているという点がここからも判ります。

以下でご紹介します第十一条も同様の改正がされています。

 

運営上の違反行為

旅館業の営業許可は受けていて、旅館業を運営する上で決められた規則を守らない者に対しての罰則も強化されました。

まずは2017年3月16日現在の旅館業法を見てみましょう。

旅館業法 第十一条
左の各号の一に該当する者は、これを五千円以下の罰金に処する。
一  第五条又は第六条第一項の規定に違反した者
二  第七条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は当該職員の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

詳しくはこの後ご説明しますが、旅館業法の第五条、第六条第一項、第七条第一項の規定に違反した者に対する罰金の上限が5,000円から50万円に大きく引き上げられました

 

宿泊を拒んだ場合

旅館業法では以下のように、ある特定の事情がある場合を除いては宿泊を拒んではいけないという規則になっています。

旅館業法 第五条
営業者は、左の各号の一に該当する場合を除いては、宿泊を拒んではならない。
一  宿泊しようとする者が伝染性の疾病にかかつていると明らかに認められるとき。
二  宿泊しようとする者がとばく、その他の違法行為又は風紀を乱す行為をする虞があると認められるとき。
三  宿泊施設に余裕がないときその他都道府県が条例で定める事由があるとき。

第五条の規定に違反した者とは、認められた理由がなく宿泊を拒んだ者ということになります。

 

宿泊者名簿の記載と提出義務を果たさない場合

旅館業法では、宿泊者名簿の作成と職員から要求があった場合の提出義務を定めています。

旅館業法 第六条
営業者は、宿泊者名簿を備え、これに宿泊者の氏名、住所、職業その他の事項を記載し、当該職員の要求があつたときは、これを提出しなければならない。
2  宿泊者は、営業者から請求があつたときは、前項に規定する事項を告げなければならない。

第六条第一項の規定に違反とは、宿泊者名簿を作成していない、又は、宿泊者名簿に不備があるような場合です。

こういった違反行為は50万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

 

報告・立入検査などを許否した場合

旅館業法では、必要がある場合には営業者からの報告や立入検査などが出来ると規定しています。

旅館業法 第七条
都道府県知事は、必要があると認めるときは、営業者その他の関係者から必要な報告を求め、又は当該職員に、営業の施設に立ち入り、その構造設備若しくはこれに関する書類を検査させることができる。

虚偽の報告をしたり、立入検査を拒否したり、検査を妨げたりした場合には50万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

 

無許可営業者への立入調査

先程見ました「旅館業法第七条」の立入調査は、旅館業の営業許可を受けている業者に対しての規定です。

無許可で営業している者に対しては立入調査の権限がないのです。

許可を受けている人には立入検査ができて、無許可の人には立入検査ができないのは不思議に思われるかもしれません。

今まで無許可の違法民泊の実態を把握することが難しかった理由の一つに、拒否された場合に無許可営業の施設への立入検査が出来なかったことがあります。

今回の改正で、無許可で営業をしている業者に対しても立入調査が出来るように権限が拡大されました。

無許可で営業をしている業者も営業許可を受けている業者と同様に、虚偽の報告をしたり、立入検査を拒否したり、検査を妨げたりした場合には50万円以下の罰金の対象となる可能性があります。

 

違法民泊の通報窓口

民泊に関する問い合わせは通常は管轄する保健所の一般窓口に連絡しますが、違法民泊に対しては専用の通報窓口を設置している自治体もあります。

 

大阪市の民泊通報窓口

大阪市の違法民泊に関する相談

電話による受付

大阪市保健所環境衛生監視課(旅館業指導グループ)

電話番号:06-6647-0835

平日9時から17時30分(12月29日から1月3日までを除く)

ファックスによる受付

ファックス番号:06-6647-0733

24時間受け付けています。

メールによる受付

メールアドレス:ryokan2016@city.osaka.lg.jp

24時間受け付けています。

 

京都市の民泊通報窓口

京都市の違法民泊に関する相談

京都市違法民泊通報用チラシ

電話による受付

電話番号:075-223-0700

年中無休(ただし,年末年始を除く。)

時間 午前10時~午後5時

ファックスによる受付

FAX番号:075-223-0701

24時間受け付けています。

電子メールによる受付

メールアドレス minpakusoudan@city.kyoto.lg.jp

暗号化フォーム

非暗号化フォーム

24時間受け付けています。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

旅館業法は約70年前に作られた法律で、無許可営業に対する罰金額の上限も当初の3万円のままでした。

今回の罰金の上限の引き上げや無許可営業者への立入権限の付与などの改正をおこなうことで、違法民泊に対する取締りも一層強化されることと思います。

とくに無許可民泊に対しては、上限が100万円という罰金になりますので、今後の違法民泊に対する大きな抑止力となるのではないかと思います。

 

 

 

 

 

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行政書士・宅建士 横関雅彦
民泊申請専門行政書士・民泊運営コンサルタント。旅館業許可申請などの民泊ビジネスの申請サポート及び運営コンサルタントを行う。宅地建物取引士の資格も持ち、不動産売買の面でも民泊ビジネスをサポート。 また、総合旅行業務取扱管理者の資格も持ち、将来的に旅行業と民泊をつなぐサポートも展開したいと考えている。