管理組合法人ブリリアマーレ有明からのヒアリング

[記事公開日]2016/02/27
[最終更新日]2016/02/29
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平成28年2月29日に開催された『第6回「民泊サービス」のあり方に関する検討会』では以下のような、管理組合法人ブリリアマーレ有明さんからのヒアリングが行われました。

ブリリアマーレ有明公式サイト

 

ブリリアマーレ有明とは

ブリリアマーレ有明といえば、2015年にAirbnb等を利用した貸し出しを禁止する、いわゆる「シェアハウス規定」を管理規約に追記したことで話題になりました。

以前、日経ビジネスの取材に対して、規約で民泊を禁止した理由を以下のように回答されています。

 

セキュリティの担保ができなくなるため

我々のマンションは4回鍵を使わないと玄関に入れないような設計になっているが、これを使うと玄関前まで不特定多数の人が入ってこれてしまう。

ストーカーや犯罪に悪用されたら誰が責任を取るのか。

オートロックの分譲マンションとAirbnbは相容れないものである。

 

共用施設の利用が荒れることが懸念されるため

最上階にホテルグレードの設備を持っているが、警備員やコンシェルジュの配置は必要最低限しか行っていない。

これは、住民しか使わないことが前提だからだ。

使用ルールを全員が熟知していること前提でこのマンションは成り立っていて、ホテルのように人員をかけられない。

もしAirbnb利用のために警備の人員を増やすことになれば、住民の負担が増すことになる。

 

プレミアム感の保持のため

非日常空間を楽しめるのは、居住者とそのゲストだけというプレミアム感の保持のためである。

居住者は数千万円をかけて物件を購入するか、もしくは都内平均よりも高額な家賃を払わないと利用できないという高いハードルがある。

1万円で簡単に入って来られるようになってはプレミアム感が保てない。

 

民泊禁止について管理規約改正への経緯

今回の検討会のヒアリングでは以下のような回答をされています。

 

経緯

2013.夏

管理組合役員がヤフーニュースで「脱法ハウス」のニュースを確認

理事会で情報共有、管理規約を改正して未然に防ぐことを確認

※脱法ハウス、民泊の当マンションでの事例は当時は確認できていない。

住民からの問い合わせがあったが、当該者に確認したところ、していないとの回答があり、それ以上は対応していない。

2013.秋

管理会社が中心となり、具体的な規約文言を作成、理事会で審議

2014.4月20日

第5期通常住民総会で決議(特別多数決議)

2015.4月頃

役員がAirbnbのサービスを理事会で紹介。当マンションについて調べたところ貸し出しされている状況を確認

※理事会として初めて民泊の事例を確認

この物件はAirbnbに登録されていたのを管理会社と役員が確認し、サイト上でホストへのメッセージ配信を配信して、サイトから取り下げてもらったとのことです。

2015.6月

民泊の事例をサイトで確認

この物件はAirbnbに登録されていたのを管理会社と役員が確認し、部屋番号をサイトで確認し、ホストのところへ直接訪問して、サイトから取り下げてもらったとのことです。

2015.8月

民泊の事例をサイトで確認

この物件は管理会社が、不審な人がいるとの通報をうけて警備がホストへ確認して、サイトから取り下げてもらったとのことです。

2016.1月現在

インターネット上で当マンションでの実施は確認できていない

 

マンション管理組合側からみた民泊の問題点

マンション管理組合側からみた民泊の問題点を挙げられています。

これは他の地域のマンションの住民や近隣住民から見た民泊の問題点でもあると思います。

こういった問題点をどのように改善するのかが、今後の民泊ビジネスのポイントになると思います。

静謐で穏やかな住環境を破壊する

  • 職場や学校(ON)とは違い、住居(OFF)は穏やかに暮らす場所。
  • マンションに暮らすほぼすべての住民は、自宅の隣人が毎日入れ替わることを望むひとはいないし、許容できない。
  • 騒音を事実上防止できない。
  • 「うるさい」とクレームを入れても次の日に違う人が入るなら無駄。

セキュリティの懸念がクリアできない

  • 近年ほぼすべてのマンションについているオートロックの意味がなくなる。
  • ストーカーや犯罪組織に悪用されかねない。
  • 防犯カメラは原則マンションの外側に向けて設置しており、中に入られると犯罪が起きても特定が困難。

区分所有者全員が払う管理費にフリーライド(タダ乗り)している

  • 共用部分の破損は、まずは壊した本人が弁償することが原則。
  • 犯人不明の場合のみ、管理費から補填。
  • 民泊ゲストが共用部分を壊した場合、オーナーの責任不在。
  • マンションの共用部分は「ルールを熟知している住民が使う」ことが前提で解放されている。
  • ルールを知らないものが使うと共有部が“荒れる”可能性が高い。
  • 問題が多発した結果警備員を増やすなら、そのコスト上昇の責任は誰?
  • 民泊の高い利回りは管理費にフリーライドすることによって生まれている。

マンションは不特定多数のゲストを受け入れる構造になっていない

  • ホテルとマンションは全く構造が違う。
  • 受付カウンター機能が存在しない。
  • これが契機となって外国人の排斥ムードになりかねない。
  • 外国でも民泊に対して厳しい自治体が多い。

 

管理規約への追記

従来の管理規約に「民泊禁止」を明記するために、以下のような条文を追記されたとのことです。

4.区分所有者は、理事会の決議で特に承認された場合を除き、専有部分を、直接・間接を問わず、「シェアハウス」に供してはならない。なお、本規約にて「シェアハウス」とは、専 有部分の全部または一部(以下、単に「専有部分」という。)の利用形態が以下に掲げる各項のいずれかに該当する場合における当該専有部分の長期・短期の利用様式をいう。

(1)専有部分の居室(キッチン、トイレ及び風呂を除く。以下本項にて同様。)の数(以下 「室数」という。)を超える数の者(区分所有者、区分所有者の親族、区分所有者からの賃借人、上記賃借人の親族(以下あわせて「縁故者」という。)を除く。)による継続的な居住、宿泊または滞在。

(2)室数を超えない数の不特定の者(縁故者以外の者でいずれの縁故者も常時かつ明確に住所、氏名及び職業(就業就学先を含む。)を把握していない者をいう。)による居住または宿泊。

(3)縁故者を含む複数の者による居住、宿泊または滞在で、直接・間接を問わず、複数の者から居住、宿泊または滞在の対価を徴収することを予定しているもの。

(4)前各号のためにする改築・改装。

5.理事長は、理事会の承認がないにもかかわらず、専有部分がシェアハウスに供されていると認めたときは、当該専有部分の区分所有者に、専有部分をシェアハウスに供することを 中止するよう請求することができる。専有部分の区分所有者または占有者が合理的な理由 を示さず第12条第7項の協力を拒んだ場合も同様である。

6.理事長は、専有部分がシェアハウスに供されているかどうかの事実を確認するため、随時、任意の区分所有者に対し専有部分の利用状況について口頭または書面で照会をすることができる。
7.前項の照会の結果、専有部分の外観、近隣住戸の居住者または専有部分に出入りする者等から任意に聴取した事項、各種媒体上で見分した賃貸情報などから合理的に判断して専有部分がシェアハウスに供されていると推認した場合、理事長は、理由を告げて、当該専有部分の区分所有者または占有者に対し、専有部分がシェアハウスに供されているかどうか実地に見分するため理事長及び理事複数名が専有部分に立ち入るのを認めるよう協力を求めることができる。

この管理規約の追記部分は、今後「民泊禁止」を明確化するマンションにとって非常に参考になるのではないかと思います。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

前例が無い「ネット仲介型民泊ビジネス」への対策は本当に苦労されたことと思います。

民泊利用されていた部屋のオーナーさんへの対応も早く、管理規約の変更も素早くされたので、民泊利用が広まることなくおさまったのだと思います。

以前に日経ビジネスのインタビューの中で、インバウンド政策との整合性について尋ねられた部分の回答が非常に興味深かったです。

確かにその通りだと思いました。

ちょっと考えてみて欲しい。

あなたはご自身が買われたマンションの隣の部屋が、ある日突然Airbnb貸し出しをはじめて、毎日違う人が止まりに来て騒音があったら嫌ではないか?

区分所有という概念と、それを更に小口にして配るというAirbnbの概念は、水と油のように違う。

分譲マンションを購入する大多数は、居住を目的とするのであって投資を目的としていない。

Airbnbトラブルが原因で周辺住戸が逃げ、どんどん部屋が売り出されれば、結果としてマンションの資産価値が下がってしまう。

資産価値の維持が管理組合運営の目的である。インバウンド政策との整合性を一管理組合が考える必要はないし、マイナスの影響が強い。

今後も、マンションの管理規約などに関しての情報を随時集めてご紹介したいと思います。

 

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行政書士・宅建士 横関雅彦
民泊申請専門行政書士・民泊運営コンサルタント。旅館業許可申請などの民泊ビジネスの申請サポート及び運営コンサルタントを行う。宅地建物取引士の資格も持ち、不動産売買の面でも民泊ビジネスをサポート。 また、総合旅行業務取扱管理者の資格も持ち、将来的に旅行業と民泊をつなぐサポートも展開したいと考えている。