「古家付き土地」を民泊用に購入する時に気をつけるポイント

[記事公開日]2016/03/21
[最終更新日]2016/03/23
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古家付き土地の注意点

空き家のデータに関して書かれている本や文章には必ずと言っていいほど「820万戸」という数字が出てきます。

これは2014年7月に総務省が公表した全国の空き家の数です。

空き家の数はますます増えていて、老朽化による倒壊や犯罪利用の危険など、空き家対策の必要性が叫ばれています。

そんな中、外国人観光客の急激な増加によって宿泊施設が足りないという事態の対応策として、空き家利用が一石二鳥となると言われています。

今回は、空き家を購入して民泊として利用する場合にどんな点を気をつければ良いかを見ていきたいと思います。

 

「古家付き土地」とは

自分が住むためや賃貸用に投資として購入する中古住宅と違って、大幅なリフォームをしなければ住めないような状態の建物は「古家」と呼ばれることがあります。

この古家と土地を一緒に売却している物件を「古家付土地」と言います。

 

古家付き土地のデメリット

まず、古家付き土地のデメリットから見ていきましょう。

古家は人が住める状態ではなかったり、住めるとしても大幅なリフォームが必要になるケースが多いので、建物を解体や造成、リフォームをする費用がかかることになります。

古家の状態が良ければ少額のリフォーム代で済むこともあります。

ですから、古家付き土地を購入する場合は、古家の状態をしっかり見極めることが重要となります。

 

古家付き土地のメリット

古家付き土地のメリットは、更地の場合よりも購入価格が安くなることが多いという点です。

デメリットでお話しました費用が買主負担になるので購入価格が安くなるのです。

リフォームが安く済む場合は、更地で購入するよりも大きなメリットが出ます。

最近はリフォーム費用も以前と比べてかなり安くなっていますので、新築で家を建てるよりもリフォームすることでのメリットが大きいというケースも多いと思います。

 

古家付き土地の注意点

注意「古家付き土地」はその名前の通り、「土地」として売られているので、建物に関しては何か問題があっても売主の責任にはならないという契約になっているケースがほとんどです。

また、昔の家は土地の境界についてあいまいになっているものが多くあります。

こういった「古家付き土地」特有のポイントをチェックして購入を検討する必要があります。

 

公簿面積と実面積の差

公簿面積と実測面積不動産を売買する際、登記簿上の面積を基に売買代金の額を決定する方法を「公簿売買」といいます。

これに対し、実際に土地家屋測量士などに依頼して計測した面積を基に売買代金の額を決定する方法を「実測売買」といいます。

登記簿上の面積を「公簿面積」といい、実際に測量した面積を「実測面積」といいます。

「登記して面積は当然、実測面積と同じでしょ」と思われるかもしれませんが、実際には公簿面積と実測面積が異なる土地はたくさんあります。

昔の測量技術は現在ほど正確ではなかったので、登記簿面積の方が実測面積よりも大きい「縄延び(なわのび)」、その逆で登記簿面積の方が実測面積よりも小さい「縄縮み(なわちぢみ)」が起こるのです。

「測量費用がかかるので、公簿売買にしましょう」と言われる場合もありますが、古い家の場合は測量費用との兼ね合いをみて、実測売買を検討されるのも良いと思います。

 

下水道の引込費用

水道管「古いといっても、家だったんだから、水道管は通ってるでしょ」と思われると思うのですが、この点にも注意が必要です。

一つは水道管が老朽化していて、道路にある本管から取り換えが必要になる場合があります。

また、水道の場合はもっとも細い配管は13mm程度ですが、水道のカラン数などの関係で、20mmの口径に取り換える必要がある場合もあります。

その場合、距離や場所にもよりますが、50万~80万円程度の費用がかかるのが一般的です。

 

「再建築不可物件」とは

物件によっては、更地にしてしまうと再建築が出来ないものがあります。

理由はいろいろあるのですが、もっとも多いのは「道路と2m以上接していない」ケースです。

古家を建てた時点では合法であっても、現在の建築基準法で決められた「道路に敷地が2m以上面している」という条件を満たしていないため、一度取り壊してしまうと、新しく家を建てることができないのです。

こういった新たに建築が出来ない物件を「再建築不可物件」といいます。

「建て直しが出来ないんだったら、購入しても意味が無い」とデメリットしかないと思われるかもしれませんが、再建築不可物件にはメリットもあります。

それでは、再建築不可物件のデメリットとメリットをみてみましょう。

再建築不可物件

 

再建築不可物件のデメリット

再建築が出来ない

文字通り再建築が出来ないということが最大のデメリットです。

リフォームをすることは出来ますが、地震や火災で家が倒壊してしまった場合には建物が建てられないというリスクがあります。

(※倒壊の程度や火災の程度によってはリフォームで対応出来る場合があります。)

増築が出来ない

再建築不可物件は基本的には増築も出来ません。

もう少し建物を広くするための土地があるので、その部分にも建物を広げるということは出来ません。

ローンが組み難い

再建築不可物件は担保価値が低いので、ローンが組めないというケースが多いというデメリットがあります。

但し、再建築不可物件などの特殊な物件も対象となるローンもありますので、どうしてもローンが必要な場合は銀行へ相談へ行かれるのが良いかと思います。

 

再建築不可物件のメリット

価格が安い

物件にもよりますが、一般的には再建築不可物件は同じような条件の近隣地域の物件と比較して5割~7割程度の価格と言われています。

リフォームが出来る

再建築不可物件は建替え、改築、増築は出来ませんが、間取りや広さを変更せずにリフォームすることは出来ます。

但し、あまりに大掛かりなリフォームの場合は自治体によっては指導が入る場合がありますので、物件を入手される前に専門家に相談されることをお勧めします。

税金が安い

固定資産評価や相続税評価(路線価)が低いため、固定資産税や相続税といった税金が安くすむというメリットがあります。

 

「みなし道路」とは

再建築不可物件でお話しましたように、建築基準法では「建築物の敷地が道路に2m以上接していなければならない」とされているのですが、この道路にも規定があります。

建築基準法上の「道路」は「幅員(道路の幅)が4m以上」とされています。

ですから、古くからの住宅地などよくあるに幅員4m未満の細街路(狭あい道路)は建築基準法上の道路ではなく、こういった幅員4m未満の道路に2m以上接していても建築基準法の規定を満たすことは出来ません。

しかし、建築基準法が出来る前からあった幅員4m未満の道路はたくさんありますので、建築基準法が施行された際にすでに存在していた道路は、特定行政庁が指定することを条件に「建築基準法上の道路」として扱うこととなっています。

これを「みなし道路」といいます。

「みなし道路」に関しては、建築基準法の42条2項に書かれいてるため、「42条2項道路」又は「2項道路」ともいわれています。

 

「みなし道路」に接した建物の再建築

みなし道路は、中心線より両側にそれぞれ2mの幅が道路境界線とみなされます。

つまり再建築するのであれば、みなし道路の中心線から2m下がったとことからしか建物を建築出来ません。

これを「セットバック」といいます。

あまりに敷地が狭い土地の場合、セットバックをすると建築出来る建物が非常に小さくなってしまう場合もありますので、注意が必要です。

セットバック

2項道路とセットバック|民泊をはじめるための不動産知識

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

空き家となった古家を民泊施設として利用するビジネスは、空き家問題と宿泊施設不足問題の両方を解決する事が出来る一石二鳥のビジネスですが、古家付き土地を購入する際には気をつけなければいけない点があるという事もご理解頂けたのではないかと思います。

不動産売買は契約内容をきちんと理解せずに契約してしまった場合、後で思いもよらない問題が起こる可能性もあります。

不動産購入の際はプロに相談しながら慎重に進められることをおすすめします。

 

 

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行政書士・宅建士 横関雅彦
民泊申請専門行政書士・民泊運営コンサルタント。旅館業許可申請などの民泊ビジネスの申請サポート及び運営コンサルタントを行う。宅地建物取引士の資格も持ち、不動産売買の面でも民泊ビジネスをサポート。 また、総合旅行業務取扱管理者の資格も持ち、将来的に旅行業と民泊をつなぐサポートも展開したいと考えている。