民泊に必要な消防用設備

[記事公開日]2016/02/04
[最終更新日]2016/05/04
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民泊に必要な消防設備

民泊を始める際には消防設備を設置しなければなりません。

このページでは、一般的に必要と想定される消防設備に関してご説明したいと思います。

詳細は各自治体の消防庁で規定されているので確認頂く必要がありますので、申請の場合は必ず管轄の消防局へ直接お問い合わせ下さい。

 

住宅の一部を民泊として活用する場合

自分が住んでいる家(一軒家)の一部を民泊として利用する場合、どの程度の割合を民泊用として使用するか、又その広さで必要となる設備が変わってきます。

民泊部分が建物全体の半分未満で50㎡以下

自分も住んでいる家の一部を民泊として貸し出すような場合、民泊として使用する部分が建物全体の半分以下で、かつ、50㎡以下であれば、建物全体が一般住宅と取り扱われるので、民泊としての消防用設備等の設置は不要です。

但し、全ての住宅に設置義務がある住宅用火災警報器の設置はもちろん必要になりますのでご注意ください。

民泊の消防設備1

 

民泊部分が建物全体の半分未満で50㎡超又は建物全体の半分

民泊部分が建物全体の半分未満で、かつ50㎡を超している場合、又は民泊部分が建物の半分の場合、建物全体が「用途が混在する防火対象物」となります。

この場合、民泊用の消防用設備等の設置が必要になります。

基本的に下記のような設備が必要になりますが、詳細は管轄の消防局へお問い合わせ下さい。

【主に必要となる消火設備】

  • 消火器(民泊部分の床面積が150㎡以上の場合)
  • 自動火災報知設備(民泊部分のみ
  • 誘導等(全て)
  • 宿泊施設として取り扱われる部分のカーテン、じゅうたん等は防炎物品とする

民泊の消防設備1

自動火災報知設備に関して

建物全体の延べ面積が300㎡以上の場合は、建物全体に自動火災報知設備の設置が必要となりますのでご注意ください。

 

民泊部分が建物全体の半分よりも大きい

民泊部分が建物全体の半分よりも大きい場合、建物全体が「宿泊施設」となります。

この場合、民泊用の消防用設備等の設置が必要になります。

基本的に下記のような設備が必要になりますが、詳細は管轄の消防局へお問い合わせ下さい。

【主に必要となる消火設備】

  • 消火器(建物の延べ面積が150㎡以上の場合)
  • 自動火災報知設備(全て
  • 誘導等(全て)
  • カーテン、じゅうたん等は防炎物品とする

民泊の消防設備3

民泊部分が建物全体の半分未満で、かつ50㎡を超している場合、又は民泊部分が建物の半分の場合の消火器の設置は民泊部分の床面積が基準で、自動火災報知機設備の設置義務も建物の延べ面積が300㎡未満の場合民泊部分のみに限定されていますが、民泊部分が半分を超す場合は消火器の設置義務は建物の延べ面積が基準で、自動火災報知機設備の設置義務は建物全体である点にご注意下さい。

 

共同住宅の一部を民泊として活用する場合

共同住宅、つまりマンションの一室や一部を民泊で使用する場合、延べ面積の大きさや民泊で使用する部屋の割合によって設置義務の要件が変わってきます。

マンションの自動火災報知機

 

延べ面積が500㎡以上の場合

自動火災報知設備に関しては、既に建築されている延べ面積が500㎡以上の共同住宅(マンション等)には設置義務があるため、新たな規制はかかりません。

消火器についても、共同住宅(マンション等)と旅館・ホテル等の設置基準が同一であるため、新たな規制はかかりません。

誘導灯については、新たに廊下、階段等の共有部分に設置すれば足りるとされています。

さらに、避難口までの歩行距離や視認性等の一定の条件を満たせば設置は不要となる場合もあります。

 

延べ面積が300㎡以上で民泊部分が1割を超える場合

延べ面積が500㎡未満の場合、延べ面積が300㎡以上で、民泊部分が1割を超えると、建物全体に自動火災報知設備の設置が必要になります。

但し、無線方式のものを用いることも可能ですので、簡便な追加工事により対応することができます。

消火器については、共同住宅(マンション等)と旅館・ホテル等の設置基準が同一であるため、新たな規制はかかりません。

誘導灯についても先程と同様に、新たに廊下、階段等の共有部分に設置すれば足りるとされています。

さらに、避難口までの歩行距離や視認性等の一定の条件を満たせば設置は不要となる場合もあります。

 

延べ面積が300㎡未満で民泊部分が1割以下の場合

延べ面積が300㎡未満で民泊部分が1割以下の場合、民泊部分のみ自動火災報知設備の設置が必要になります。

消火器と誘導等に関しては、共同住宅で民泊をする他の条件と同じです。

 

自動火災報知機とは

自動火災報知設備とは、受信機・発信機・表示灯・地区音響装置・感知器から構成された火災報知機です。

火災が発生した場合、火災によって生じた熱・煙・炎を、熱感知器・煙感知器・炎感知器のそれぞれが感知し、感知器から受信機へ火災信号が送られます。

信号を受けた受信機は警報を発して、ベルなどを鳴らし、建物内にいる人へ火災の発生を知らせる仕組になっています。

設置工事の費用は一概には言えませんが一戸建てで自動火災報知機を設置する場合、工事費は30万円から50万円くらいを目安にされている方が多いように思います。

火災報知機

 

消防設備の壁

旅館業法で自動火災報知機の設置が条件になっているように、戦略特区の特区民泊でも自動火災報知機の設置が条件になっています。

産経新聞のインタビューで、現在合法の民泊事業を手掛けている「とまれる」の三口社長は以下のように答えられています。

「法規制に問題があると思う。例えば、消防法では一般住宅だと火災報知機が付いているが、民泊施設として運営する場合、自動火災報知機を整備しないといけない。また、41戸あるマンションをまるごと民泊施設にしようと思ったが、全部屋にスプリンクラーを付けなくてはならず、計3億円かかると言われて断念した。整備費用が高額で断念するケースは多い」

これだけの設備投資をするのであれば、合法的に民泊を始めるにはかなりの資金が必要になります。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

民泊を始めるにあたっては、自分の貸しだす物件がどの条件に当てはまるのかを事前にきちんと調査しておかないと、後で予定外の出費が出る事があります。

消防関連の設備の設置もその一つです。

消防設備に関しては、各自治体の条例などで別途細かく指定されている場合もございますので、実際に民泊を始める際には、必ず管轄の行政窓口にお問い合わせ下さい。

 

 

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行政書士・宅建士 横関雅彦
民泊申請専門行政書士・民泊運営コンサルタント。旅館業許可申請などの民泊ビジネスの申請サポート及び運営コンサルタントを行う。宅地建物取引士の資格も持ち、不動産売買の面でも民泊ビジネスをサポート。 また、総合旅行業務取扱管理者の資格も持ち、将来的に旅行業と民泊をつなぐサポートも展開したいと考えている。