民泊新法でマンション民泊が急増!?マンション民泊のポイント

[記事公開日]2016/05/23
[最終更新日]2016/05/24
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マンション民泊のポイント

2017年の通常国会に提出が予定されている「民泊新法」。

従来の旅館やホテルという位置付けではなく、住宅を宿泊用に貸し出すという前提で法案作りが進められています。

この法案で、民泊というビジネス全体に大きな影響が出るということは間違いないのですが、特に大きな影響を受けるのは「マンション」での民泊だと思います。

なぜ、民泊新法でマンションでの民泊が影響を受けるのかを、わかりやすくご説明したいと思います。

 

「住宅」という位置付け

住宅地これまでは旅館業法に規定された「簡易宿所営業=民泊」でしたので、建物の用途はホテル又は旅館等でした。

用途が旅館等の建物は、原則として住居専用地域には建築することができません。

マンションの多くは住居専用地域にありますので、この「用途制限」が、マンションで民泊営業が出来ない大きな原因の一つでした。

ところが、民泊新法では、貸し出す施設は「住宅」という位置付けになる予定ですので、住居専用地域でも営業をする事が出来ます。

つまり、住居専用地域のマンションの一室であっても、合法的に民泊営業が出来るようになる可能性が高いと言えます。

 

営業日数制限

営業日数上限それでは、民泊新法が施行されれば、どんどんマンションの民泊が増えるかといいますと、そうとも言い切れないところがあります。

民泊新法には90日から180日の「営業日数制限」が設けられる予定になっています。

物件を購入したり、賃貸した物件を利用(転貸)したりして民泊を始める場合、年間の営業日数が少ないと投資額に見合った収益を上げることができず、余程の高収益物件以外は投資として民泊ビジネスが成り立たない可能性があるのです。

つまり、新規に物件を購入したり、賃貸物件利用(転貸)して民泊営業をする場合、90日から180日という営業日数の上限があると、投資として成り立たないという可能性があります。

ですから、必ずしも物件を購入したり転貸したりして民泊を始める人が急増するとは限りません。

但し、既に投資用に部屋を購入して空室で困っているようなオーナーにとっては「どうせ空室なんだから、上限日数まで少しでも民泊で収益をあげたい」という人はいらっしゃるかもしれません。

90日の上限となると、投資としてはかなり厳しいと思いますが、180日の上限であれば参入を考える人も増えるのではないかと思います。

 

「民泊施設管理者」の役割

民泊の管理者「営業日数なんて無視して営業しちゃえばいいじゃないか」と思われるかもしれませんが、そう簡単に営業制限日数を越えて営業をすることはできません。

ここが民泊新法のすごいところです。

民泊新法では、家主不在型の民泊を営業する場合、行政に登録する「民泊施設管理者」という業者へ管理を委託することを義務付ける予定にしています。

民泊施設管理者になるのは、実際に物件を管理している不動産業者や旅館業者が想定されています。

この民泊の「民泊施設管理者」は、苦情の処理や宿泊者名簿の作成に加えて、営業日数の管理等民泊運営のかなりの部分の責任を負っています。

民泊の管理者が管理する民泊施設が営業制限日数を越えて営業するといった違法行為を行った場合、管理者の登録が取り消しや営業停止になる可能性がありますので、管理者は自分のためにもきちんと管理することになります。

民泊新法では、このように法律を遵守させるために「民泊施設管理者」をおくようにしているのです。

どのような人が管理者になり、どういった責務があるのかは『民泊施設管理者とは』で詳しくご説明しておりますのでご参照下さい。

 

マンション民泊は合法になるの?

マンション民泊は合法?旅館業法に定められた条件では、「建物の用途変更」「消防設備の設置」の2点で、マンションで民泊を開業することが困難でした。

民泊新法は、旅館業法の対象外の「住宅」を宿泊施設として貸し出すことを前提としていますので、用途変更も不要ですし、ホテルや旅館で必要とされている消防設備ほど厳しい条件にはならない可能性があります。

そうなると、届出をするだけで合法ということになり、マンションで民泊を行うことが比較的簡単になります

但し、「届出をしてしまうと営業日数が制限されてしまう」という理由で、内緒で営業しているようなケースは違法です。

届出をすると、管理者に営業日数を管理されてしまい制限日数以上の営業が出来ず、投資としての収益が上がらないので、内緒で営業しようというケースも出てくるのではないかと懸念されます。

そういった無届けの違法民泊に対しての取り締まりは、厳しくなると思います。

 

マンション管理規約の重要性

管理規約の重要性民泊新法の記事を書いた後に「合法になるんだったら、マンションでの民泊を防ぐことは出来ないの?」というご質問を何件か頂きました。

マンションでの民泊営業を禁止するために、まず出来ることは、マンション管理規約で「民泊禁止」を明記することだと思います。(管理規約に関しては『マンションの管理規約とは』をご参照下さい。)

民泊新法の家主居住型及び家主不在型ともに、民泊サービスを開始するには「(集合住宅(区分所有建物)の場合)管理規約違反の不存在の確認」という条件が付されています。

管理組合法人ブリリアマーレ有明Tower&Gardenが管理規約の改正を行った経緯が『民泊禁止について管理規約改正への経緯』で詳しく書かれていますので是非ご参照下さい。

日常で生活する人と旅行者が混在することでのトラブルは多々あると思います。

今後は「民泊専用マンション」のように「民泊営業許可」を明記した管理規約のマンションなども出て、住宅用と民泊用のようにマンションを建てる時点で用途をはっきりさせて住み分けが出来るようになるのかもしれません。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

今まではマンションでの民泊は、かなり高い確率で無許可の違法営業となっているケースが多かったのですが、民泊新法が施行されると、営業日数の上限を問題としない場合は、マンションでも合法に民泊が出来るようになる可能性が高いと言えます。

その場合、共有部分の使い方など細かく規定をしておかなければ、住民同士のトラブルに発展する危険もあると思います。

特に、管理組合の方は民泊新法の制定に向けて、現在の管理規約で問題がないかをご確認されるのが良いかと思います。

 

 

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行政書士・宅建士 横関雅彦
民泊申請専門行政書士・民泊運営コンサルタント。旅館業許可申請などの民泊ビジネスの申請サポート及び運営コンサルタントを行う。宅地建物取引士の資格も持ち、不動産売買の面でも民泊ビジネスをサポート。 また、総合旅行業務取扱管理者の資格も持ち、将来的に旅行業と民泊をつなぐサポートも展開したいと考えている。