住宅宿泊管理業者とは

[記事公開日]2016/05/14
[最終更新日]2017/11/07
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住宅宿泊管理業者

簡易宿所などの旅館やホテルのルールである旅館業法とは別に、新たな「民泊」という仕組のルールとしての「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が成立しました。

(詳しくは『住宅宿泊事業法とは』をご参照下さい。)

新たな民泊の仕組の中で「住宅宿泊管理業者」という立場が非常に重要な意味を持ちます。

この「住宅宿泊管理業者」に関して詳しくご説明したいと思います。

※住宅宿泊管理業者の登録申請書類は『住宅宿泊事業(民泊新法)申請書類ダウンロード』のページからダウンロードが出来ます。

 

住宅宿泊管理業者とは

住宅宿泊管理業者とは民泊の住宅宿泊管理業者とは、家主不在型の民泊の管理を請け負う業者です。

住宅宿泊管理業者になるためには国土交通大臣への登録が必要になります。

家主不在型の住宅宿泊事業者に対しては、住宅宿泊管理業者へ住宅の管理を委託することが義務付けられています

住宅の管理とは、具体的には近隣とのトラブルの対応や宿泊者の本人確認と名簿の作成、賠償保険への加入、カギの管理やゴミ出しルールの告知などの民泊施設の管理業務が考えられます。

管理者登録制となっており、民泊運営のかなりの部分の責任を負う事になります。

例えば、住宅宿泊管理業者は、「宿泊している外国人が騒いでいる」「決められた場所にゴミを出していない」といった近隣からのクレームの窓口となって、そのクレームの対応をする責任を負います。

住宅宿泊管理業者の職員には、民泊に関するトラブルに対して、どのように対応をするかといった研修も求められます。

トラブルを放置していた場合、管理者は登録を取り消されて、営業を禁止される場合もあります。

以下、簡単に管理者の義務をご紹介します。

  • 利用者名簿の作成・保存
  • 賠償保険の加入
  •  衛生管理措置(一般的な衛生水準の維持・確保)
  •  外部不経済への対応措置(利用者に対する注意事項(騒音、ゴミ処理等を含む)の説明、苦情等への対応など)
  • (集合住宅(区分所有建物)の場合)管理規約違反の不存在の確認
  • (住宅提供者が所有者でなく賃借人の場合)賃貸借契約(又貸しを認めない旨の条項を含む)違反の不存在の確認
  •  行政当局(保健衛生、警察、税務)への情報提供

民泊施設管理者が 法令違反行為を行った場合は、業務停止、登録取消を可能とするとともに、不正行為への罰則を設けるとされています。

 

どんな人が住宅宿泊管理業者になるの?

住宅宿泊管理業者になれる人「住宅宿泊管理業者」は、実際に物件を管理している者が対象になります。

つまり、不動産業者のように施設を管理している者が住宅宿泊管理業者になります。

Airbnbのような民泊仲介サイトの運営業者は実際に物件を管理していないので、管理者とはならず、「住宅宿泊仲介業者」となります。

 

住宅宿泊管理業の登録方法

住宅宿泊管理業の登録に関しましては、「国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則」で以下のように規定されています。

※住宅宿泊管理業者の登録申請書類は『住宅宿泊事業(民泊新法)申請書類ダウンロード』のページからダウンロードが出来ます。

 

登録申請書の様式

登録は第1号様式の申請書を使用します。

第五条

登録申請書は、第一号様式によるものとする。

 

登録申請書の添付書類

申請書と一緒に以下の指定された資料や証明書などを添付します。

第六条

法第二十三条第二項の国土交通省令で定める書類は、次に掲げるものとする。ただし、第一号ニ及び第二号ロの書類のうち成年被後見人に該当しない旨の後見等登記事項証明書(後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)第十条第一項に規定する登記事項証明書をいう。以下この条及び第二十八条において同じ。)については、その旨を証明した市町村(特別区を含む。以下この条及び第二十八条において同じ。)の長の証明書をもって代えることができる。

 

法人で登録する場合に必要な添付書類

一 法第二十二条第一項の登録(同条第二項の登録の更新を含む。)を受けようとする者(以下この条において「登録申請者」という。)が法人である場合においては、次に掲げる書類

イ 定款又は寄付行為
ロ 登記事項証明書
ハ 法人税の直前一年の各年度における納付すべき額及び納付済額を証する書面
ニ 役員が、成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の後見等登記事項証明書
ホ 役員が、民法の一部を改正する法律(平成十一年法律第百四十九号)附則第三条第一項及び第二項の規定により成年被後見人及び被保佐人とみなされる者並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書
ヘ 第二号様式による役員並びに相談役及び顧問の略歴を記載した書面
ト 第三号様式による相談役及び顧問の氏名及び住所並びに発行済株式総数の百分の五以上の株式を有する株主又は出資の額の百分の五以上の額に相当する出資をしている者の氏名又は名称、住所及びその有する株式の数又はその者のなした出資の金額を記載した書面
チ 最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書
リ 住宅宿泊管理業を的確に遂行するための必要な体制が整備されていることを証する書類
ヌ 第四号様式による法第二十五条第一項第二号から第四号まで、第六号及び第八号から第十一号までのいずれにも該当しないことを誓約する書面

 

個人で登録する場合に必要な添付書類

二 登録申請者(営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合にあっては、その法定代理人(法定代理人が法人である場合にあっては、その役員)を含む。以下この号及び次項において同じ。)が個人である場合においては、次に掲げる書類

イ 所得税の直前一年の各年度における納付すべき額及び納付済額を証する書面
ロ 登録申請者が、成年被後見人及び被保佐人に該当しない旨の後見等登記事項証明書
ハ 登録申請者が、民法の一部を改正する法律附則第三条第一項及び第二項の規定により成年被後見人及び被保佐人とみなされる者並びに破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村の長の証明書
ニ 第二号様式による登録申請者の略歴を記載した書面
ホ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人が法人である場合においては、その法定代理人の登記事項証明書
ヘ 第五号様式による財産に関する調書
ト 第六号様式による法第二十五条第一項第一号から第七号まで及び第九号から第十一号までのいずれにも該当しないことを誓約する書面
チ 前号リに掲げる書類

 

 

住宅宿泊管理業を遂行するために必要と認められる財産的基礎

負債の合計額が資産の合計額を超えている場合は、住宅宿泊管理業の登録はできません。

「負債の合計額が資産の合計額を超えない」とは、債務超過になっていないということです。

債務超過とは、自社の資産をすべて売り払っても借金を返し切れない状態のことを言います。

第八条

法第二十五条第一項第十号の国土交通省令で定める基準は、次に掲げるとおりとする。

一 負債の合計額が資産の合計額を超えないこと。
二 支払不能に陥っていないこと。

 

 

住宅宿泊管理業者としての注意点

住宅宿泊管理業を営む上で、行わなければいけない事項や禁止されている事項を見てみましょう。

 

誇大広告をしてはならない事項

誇大広告とは、商品やサービスの内容・価格などが、実際のものより優良または有利であると消費者に誤認させるように表示した広告を言います。

以下の3点に関して、実際よりも優良または有利であると誤認させるような表示をすることを禁止しています。

第十二条

法第三十一条の国土交通省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。

一 住宅宿泊管理業者の責任に関する事項
二 報酬の額に関する事項
三 管理受託契約の解除に関する事項

 

委託者の保護に欠ける禁止行為

委託者とは、民泊を運営する住宅宿泊事業者です。

住宅宿泊管理業者は、管理の委託を受けた住宅宿泊事業者に対して、以下のような行為を禁止されています。

第十三条

法第三十二条第二号の国土交通省令で定める行為は、次に掲げるものとする。

一 管理受託契約の締結又は更新について委託者に迷惑を覚えさせるような時間に電話又は訪問により勧誘する行為
二 管理受託契約の締結又は更新をしない旨の意思(当該契約の締結又は更新の勧誘を受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示した委託者に対して執ように勧誘する行為
三 住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅の所在地その他の事情を勘案して、当該住宅宿泊管理業務の適切な実施を確保できないことが明らかであるにもかかわらず、当該住宅宿泊管理業務に係る管理受託契約を締結する行為

 

管理受託契約の締結前の説明事項

住宅宿泊管理業者は、民泊の管理の受託契約を締結する前に以下の事項を委託者に説明しなければいけません。

第十四条

法第三十三条第一項の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。

一 管理受託契約を締結する住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名並びに登録年月日及び登録番号
二 住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅
三 住宅宿泊管理業務の内容及び実施方法
四 報酬並びにその支払の時期及び方法
五 前号に掲げる報酬に含まれていない住宅宿泊管理業務に関する費用であって、住宅宿泊事業者が通常必要とするもの
六 住宅宿泊管理業務の一部の再委託に関する事項
七 責任及び免責に関する事項
八 契約期間に関する事項
九 契約の更新及び解除に関する事項

 

管理受託契約締結後の交付書面

住宅宿泊管理業者は、管理受託契約を締結したときは、委託者に対し、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければいけません。

  • 住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅
  • 住宅宿泊管理業務の実施方法
  • 契約期間に関する事項
  • 報酬に関する事項
  • 契約の更新又は解除に関する定めがあるときは、その内容
  • 住宅宿泊管理業者の商号、名称又は氏名
  • 住宅宿泊管理業務の内容
  • 住宅宿泊管理業務の一部の再委託に関する定めがあるときは、その内容
  • 責任及び免責に関する定めがあるときは、その内容
  • 法第四十条の規定による住宅宿泊事業者への報告に関する事項

 

証明書の様式

第九号様式住宅宿泊事業法では、住宅宿泊管理業務に従事する人に、従業者であることの証明書の携帯を義務付けています。

その証明書の様式は第九号様式のものとなります。

(証明書の携帯等)

住宅宿泊事業法 第三十七条

住宅宿泊管理業者は、国土交通省令で定めるところにより、その業務に従事する使用人その他の従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければ、その者をその業務に従事させてはならない。

 

 

帳簿の記載事項

住宅宿泊事業法では、営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え付けることが義務付けられています。

(帳簿の備付け等)

住宅宿泊事業法 第三十八条

住宅宿泊管理業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所又は事務所ごとに、その業務に関する帳簿を備え付け、届出住宅ごとに管理受託契約について契約年月日その他の国土交通省令で定める事項を記載し、これを保存しなければならない。

帳簿に記載するべき事項や保存方法、保存期間は以下の通りです。

第十九条

法第三十八条の国土交通省令で定める事項は、次に掲げるものとする。

一 管理受託契約を締結した年月日
二 管理受託契約を締結した住宅宿泊事業者の名称
三 契約の対象となる届出住宅
四 受託した住宅宿泊管理業務の内容
五 報酬の額
六 管理受託契約における特約その他参考となる事項
2 前項各号に掲げる事項が、電子計算機に備えられたファイル又は磁気ディスク等に記録され、必要に応じ住宅宿泊管理業者の営業所又は事務所において電子計算機その他の機器を用いて明確に紙面に表示されるときは、当該記録をもって法第三十八条の規定による帳簿への記載に代えることができる。

3 住宅宿泊管理業者は、法第三十八条に規定する帳簿(前項の規定による記録が行われた同項のファイル又は磁気ディスク等を含む。)を各事業年度の末日をもって閉鎖するものとし、閉鎖後五年間当該帳簿を保存しなければならない。

 

標識の様式

第十号様式住宅宿泊事業法では、営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める様式の標識を掲げることを義務付けています。

国土交通省令で定める様式は第十号様式のものとなります。

(標識の掲示)

住宅宿泊事業法 第三十九条

住宅宿泊管理業者は、その営業所又は事務所ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令で定める様式の標識を掲げなければならない。

 

住宅宿泊事業者への定期報告

住宅宿泊管理業者は、住宅宿泊管理業務の実施状況その他の国土交通省令で定める事項について、定期的に住宅宿泊事業者に報告しなければいけません。

国土交通省令で定める事項というのは、以下の住宅宿泊事業法施行規則 第二十一条に記載されている事項になります。

住宅宿泊事業法施行規則 第二十一条

住宅宿泊管理業者は、法第四十条の規定により住宅宿泊事業者への報告を行うときは、住宅宿泊管理業務を委託した住宅宿泊事業者の事業年度終了後及び管理受託契約の期間の満了後、
遅滞なく、当該期間における管理受託契約に係る住宅宿泊管理業務の状況について次に掲げる事項(以下この条において「記載事項」という。)を記載した住宅宿泊管理業務報告書を作成し、これを住宅宿泊事業者に交付して説明しなければならない。

一 報告の対象となる期間
二 住宅宿泊管理業務の実施状況
三 住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅の維持保全の状況
四 住宅宿泊管理業務の対象となる届出住宅の周辺地域の住民からの苦情の発生状況

 

報告をしなければいけない相手は「住宅宿泊事業者」であって、行政に対してでは無いという点にご注意下さい。

 

身分証明書の様式

第十一号様式住宅宿泊事業法では、「都道府県知事は、住宅宿泊管理業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊管理業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、住宅宿泊管理業者の営業所、事務所その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは設備、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。」としています。

立入検査をする職員には、その身分を示す証明書の携帯を義務付けています。

様式は第十一号様式のものとなります。

(報告徴収及び立入検査)

第十七条 都道府県知事は、住宅宿泊事業の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、住宅宿泊事業者に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、届出住宅その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは設備、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

まだ案の状態なので、今後「住宅宿泊管理業者」がどのような役割となるのかが注目されます。

不動産業者としては、今までの不動産業務の中になかった、新しいビジネスとなる可能性があります。

 

 

 

 

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行政書士・宅建士 横関雅彦
民泊申請専門行政書士・民泊運営コンサルタント。旅館業許可申請などの民泊ビジネスの申請サポート及び運営コンサルタントを行う。宅地建物取引士の資格も持ち、不動産売買の面でも民泊ビジネスをサポート。 また、総合旅行業務取扱管理者の資格も持ち、将来的に旅行業と民泊をつなぐサポートも展開したいと考えている。