2015年10月に大阪府で日本初の「民泊条例」が可決されました。
可決した時には「民泊解禁!」と大きな騒ぎとなり、約5ヶ月の2016年4月1日から申請の受け付けを始めました。
その結果はどうだったのでしょうか。
特区民泊の申請受付開始から約1ヶ月後の2016年5月10日時点で、大阪府に民泊申請が出された件数は、なんと1件だけです。
しかも、その申請で認定された民泊施設の利用者は5月10日時点でゼロということです。
旅館業法の緩和が並行して行われていることもありますが、特区民泊の「滞在期間7日以上」という要件が大きな障壁となっていると思われます。
(※民泊条例の内容に関しては『民泊条例とは』で詳しくご説明しております。)
観光で7日以上宿泊するという需要は、ほとんど無いのでしょう。
ビジネスユースで7日以上宿泊する場合は、既存のウィークリーマンションなどを利用するのだと思います。
そこで、今回大阪府の松井知事が国家戦略特区の会議で石破大臣へ「滞在期間7日以上」という要件を「滞在期間3日以上」に緩和するように要望をだされたそうです。
いくら制度を作っても、利用する人がいなければ意味がありませんし、厳し過ぎるルールは違法な施設の削減対策にもならない可能性もあります。
特区民泊は旅館業と異なり、賃貸借契約が必要というような滞在期間以外の壁もあるのですが、まずは「滞在期間7日以上」という要件を緩和しなければ、特区民泊の制度自体が有名無実化してしまうという懸念があるのかもしれません。
松井知事は以下のようにコメントされています。
「せっかくルールつくったなら、ニーズに合うものにしないと。国家戦略と位置づけているので、スピード感をもってやる、という発言は(大臣から)ありました」(松井一郎・大阪府知事)
現在検討されている旅館業法の緩和後の簡易宿所営業に対して、国家戦略特区の特区民泊がどのような位置付けになるのかが注目されます。
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