民泊に関する意識調査(2016年2月)

[記事公開日]2016/02/20
[最終更新日]2016/02/23
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民泊ビジネスに対する市場調査

最近では、民泊の需要と並行してトラブルも増加しています。

そういった環境の中でさまざまな意識調査も行われていて、今後民泊ビジネスを考えていらっしゃる方々にも参考になるのではないかと思います。

以下、公表されている民泊に関するデータをご紹介したいと思います。

 

「空き家・空きビルのリノベーションと民泊に関する意識調査」

株式会社エヌ・アンド・シー(http://www.nandc.co.jp/)が、2016 年 1 月 13 日~1 月 15 日の 3 日間、東京圏・大阪圏に住む 20 歳~59 歳の男女を対象に、「空き家・空きビルのリノベーションと民泊に関する意識調査」をインターネットリサーチにより実施した結果が公表されました。(全回答者2000名)

特に、民泊に関わる部分は興味深いデータがたくさん出ています。

 

【民泊サービスに対する意識】

「最近1年間で、旅行などの際にホテルの宿泊予約が取れなかったことがあるか」

  • 「ある」16.9%
  • 「ない」83.1%

民泊の意識調査1予約が取れなかった事があると言う人は16.9%ですが、2~3ヶ月に1回以上の頻度で旅行に行く人に限ってみると、「予約が取れなかったことがある」と回答した人が39.0%もいたそうです。

また、1年に1回以上の頻度で出張に行くという出張族の人では「ある」と回答した人が37.0%となっています。

つまり、ホテルを予約する機会が多いほど、ホテルの予約が取れなかったという経験をしているという結果になっています。

 

「大阪府や東京都大田区で、“民泊条例”が可決されたことを知っているか」

大阪府で民泊条例が可決されたこと

  • 全体の認知率 50.7%
  • 大阪圏での認知率 56.4%

東京都大田区で民泊条例が可決されたこと

  • 全体の認知率 40.2%
  • 東京圏での認知率 44.9%

※全体の認知率(「内容まで知っている」と「聞いたことがある程度」の合計)

条例のような法令の話はあまり興味を持たれない事が多いのですが、その中で大阪の条例に関しては50%以上の認知度というのは非常に高いと思います。

全国で初めて施行された大田区の民泊条例の方が全国的にも認知度が低いと言うのもおもしろい結果だと思います。

 

「自分が民泊の貸し手になることについて」

  • 「非常に興味がある」 3.2%
  • 「少し興味がある」 15.8%

 

「自分が宿泊者として民泊を利用することについて」

  • 「非常に興味がある」が3.4%
  • 「少し興味がある」が24.9%

 

民泊に興味がある旅行頻度別にみると、2~3ヶ月に1回以上の頻度で旅行に行く人では、「非常に興味がある」又は「少し興味がある」と回答した人が44.1%、半年に1回の頻度で旅行に行く人では36.7%となっています。

出張頻度別にみると、出張族では33.8%と3人に1人が「非常に興味がある」又はと「少し興味がある」と回答しています。

先程の調査で、ホテルを利用する頻度が高いほど予約が取れなかった経験をしているという結果もありますので、そういった人達は民泊に興味を示しているのかもしれません。

 

「どのようなところに民泊をしたいか」

宿泊者として民泊を利用することに興味がある人(565名)に、民泊をするなら、どのようなところに民泊したいと思うか聞いた結果も出ています。

  • 「部屋がキレイなところ」 74.3%(男性66.4%、女性82.6%)
  • 「安いところ」 65.5%(男性65.7%、女性65.2%)
  • 「トイレやお風呂がキレイなところ」 64.1%(男性53.3%、女性75.4%)
  • 「交通の便が良いところ」 47.8%(男性39.1%、女性56.9%)
  • 「目的地に近いところ」 46.7%(男性37.4%、女性56.5%)
  • 「冷暖房設備があるところ」(男性34.3%、女性55.1%)

泊まりたい民泊女性は部屋、トイレ、お風呂の清潔感や交通の便の良さなど、民泊に対して求める水準は男性よりも高いというデータ結果になっています。

女性について年代別にみていくと、20代女性では、「安いところ」が75.9%となり、全体より10ポイント以上高くなっているそうです。

つまり若い女性にとっては、清潔感や交通の便に加えて宿泊料金も重要なポイントになっているようです。

50代女性では、多くの項目で全体よりも高くなって、さらに「おいしい家庭料理が出てくるところ」でも全体より10ポイント以上高く、38.2%になりました。

ただ、都市型民泊は基本的には食事を出すというところはほとんどありませんので、「民泊」という言葉を聞いて都市型民泊というより、地方の体験型民泊を連想して回答されている方もいるのではないかと思います。

 

「民泊に関する意識調査」

株式会社ジャストシステムが「民泊に関する意識調査」を実施して、その結果を発表しました。

調査期間は2016年2月12日~2月15日で、対象は東京都に在住の20歳から69歳の男女1,000名、調査方法はインターネットです。

この調査結果も非常に興味深いものになっています。

かなりたくさんの項目で調査されていますが、特に興味深い結果をご紹介したいと思います。

 

民泊の認知度

「民泊」という言葉をご存じですか?

  • 「民泊」という言葉を知っており、昨今の問題についても理解している。 53.8%
  • 「民泊」という言葉は知っているが、昨今の問題についてはよく知らない。 17.1%
  • 「民泊」という言葉は聞いたことはあるが、詳しくは知らない。 19.2%
  • 「民泊」という言葉は知らない。 4.5%
  • よくわからない 5.4%

昨今の事情というのは外国人観光客が増えて宿泊施設が足りなくなって、旅館業法違反と思われるような部屋貸しが増えて近隣住民とのトラブルが増加しているといった事情だと思うのですが、こういった問題も理解している人が半数以上というのは、民泊問題に対する関心の高さを表わしていると思います。

 

ネット民泊の違法性

「民泊サービス」が法令に抵触する可能性があることについて

「Airbnb(エアビーアンドビー)」のような「民泊サービス」が旅館業法などの現行法に抵触する可能性があることについて」という質問で、以下のような結果になっています。

  • その可能性についてはかなり懸念を感じている 31.0%
  • その可能性についてはやや懸念を感じている 43.3%
  • その可能性については知っているが特に懸念は感じていない 23.4%
  • よくわからない 2.3%

民泊にたいする現在問題になっているインターネットで個人の部屋貸しを仲介する民泊が違法になる可能性があるということは、97%以上の人が認識していて、70%以上の人が懸念しているという結果から、ほとんどの人が違法になる可能性があるということは認識しているということになります。

外国人観光客の急増で宿泊施設が不足しているというのは解決しなければいけない問題ですが、現行法を犯してまで容認してしまっては、法令を遵守している現行のホテル旅館業の方々に対しても、不当な競争を強いることにもなりかねません。

また、安心して宿泊が出来るようにするためにも、きちんとした法整備とその法を遵守するよう取り締まりをすることも重要だと思います。

 

民泊に対する不安

「民泊」によって外国人が多くなることに不安を感じるか

「『Airbnb(エアビーアンドビー)』のような「民泊サービス」について、あなたのお考えにあてはまるものをお選びください。」という質問で、その中にさらに「『民泊』によってマンションの入り口などに外国人が集まることが多くなる可能性があり不安を感じるか」という質問に対して以下のような結果が出ています。

  • あてはまる 30.7%
  • ややあてはまる 38.2%
  • どちらともいえない 21.0%
  • あまりあてはまらない 6.7%
  • あてはまらない 3.4%

70%近くの人が、見知らぬ外国人がマンションの入り口などに増えることに対して不安を感じているようです。

 

「民泊」が犯罪目的使われる可能性について不安を感じるか

「『Airbnb(エアビーアンドビー)』のような「民泊サービス」について、あなたのお考えにあてはまるものをお選びください。」という質問で、犯罪に対しての不安を聞いた結果は以下のようになっています。

  • あてはまる 30.4%
  • ややあてはまる 36.3%
  • どちらともいえない 23.6%
  • あまりあてはまらない 6.1%
  • あてはまらない 3.6%

犯罪に関しても約2/3の人が犯罪目的に「民泊」が使用されることに対して不安を感じているようです。

まだ大きな犯罪は起こっていませんが、今後万が一テロの拠点や売春宿などに利用されることがあれば、犯罪利用に対する不安はさらに大きくなると予想されます。

 

「民泊に関する不動産オーナー意識調査」

投資用マンション販売をおこなっている株式会社日本財託が、不動産オーナー283 名に対して民泊に関する意識調査結果を公表しました。

投資用不動産のオーナーという視点は非常に興味深いところだと思います。

 

民泊ビジネスをどう思うか?

「マンションオーナーとして、ご自身が民泊ビジネスを行うことについてどのように考えていますか?」という質問に対して以下のような結果になっています。

  • すぐにでも始めたい 4.3%
  • 前向きに検討している 18.8%
  • どちらともいえない 28.3%
  • 今のところは行わない 35.9%
  • 行わない 12.7%

約半数が「今のところ行わない」又は「行わない」と回答しています。

投資物件は空き部屋が出ると利回りが大きく下がるので、もう少しオーナーの方々は民泊利用に積極的なのかと思っていたのですが、実際にはかなり慎重に考えられているようです。

 

民泊利用に慎重になっている理由

民泊ビジネスを「今のところ行わない」又は「行わない」と慎重になっているオーナーの理由も調査されています。

結果の一部を以下のように掲載されています。

  • 民泊を行うマンションはセキュリティ・公共性が損なわれ、資産価値が低下するから。
  • サラリーマンなので時間的余裕がなく、手間がかかる民泊は管理できないと考えているので。
  • 長期で安定した家賃収入を得ることを目指しているが、民泊では短期利用の繰り返しで収入が不安定になりそうだから。
  • 不特定多数の素性の分からない人への貸し出しは望まないため。
  • 利用者の質、モラルリスクやトラブル対応を懸念している。
  • 日本でなじみがなく、受入れのための法整備が行われるのを注視したい。

こうやって見ると、民泊として利用した場合のリスクを考えて、短期的な利益よりも長期的にみて法的にも環境的にも整ってから検討したいという思いのオーナーさんも多いように思います。

「どちらとも言えない」と回答されたオーナーさんの理由も慎重派とほぼ同じ理由とのことなので、かなりの数のオーナーさんがまだ様子を見ているといった感じでしょうか。

ちなみに積極的に行うことを検討されているオーナーさんの理由は収益性をあげるという理由がほとんどだったそうです。

 

政府の民泊推進の動きをどう思うか?

「政府は民泊を推進する方向で、有識者会議での議論を進めています。民泊の推進についてどのように考えていますか?」という質問に対しては以下のような結果になっています。

  • 賛成 19.6%
  • どちらかといえば賛成 28.6%
  • どちらともいえない 37.9%
  • どちらかといえば反対 10.7%
  • 反対 3.2%

「どちらかと言えば反対」又は「反対」という意見が約14%程度、しかも明確に反対という人が3.2%しかいないという点が注目すべき点だと思います。

ルールの整備が整えば、現在問題になっている宿泊施設の不足の解決と投資不動産の収益アップと、双方にメリットがあるので、将来的には民泊ビジネスの可能性を感じているオーナーさんも多いのかもしれません。

 

民泊についてどれくらい知っているか?

「民泊についてどのくらいご存じですか?」という質問に対しては以下のような結果になっています。

  • 既にビジネスとして行っている 2.5%
  • 知っている 71.6%
  • どちらともいえない 12.8%
  • どちらかというと知らない 9.2%
  • 知らない 3.9%

「知っている」と答えた人が70%以上というのは、無作為に選んだ調査でも同じような数字でしたので、世間一般で70%くらいの人達が「民泊」について何かしらの知識を持たれているということなのだと思います。

 

民泊の普及による不動産市況への影響は?

民泊ビジネスが普及することで「家賃」「物件価格」「空室率」がそれぞれどのような影響を受けると思うかという質問に対しては、それぞれ以下のような回答になっています。

家賃相場はどうなるか?

  • 上がる 27.3%
  • 変わらない 58.9%
  • 下がる 13.8%

物件価格はどうなるか?

  • 上がる 43.0%
  • 変わらない 47.4%
  • 下がる 9.6%

空室率はどうなるか?

  • 上がる 11.6%
  • 変わらない 49.0%
  • 下がる 39.4%

どの質問にもほぼ半数の人が変わらないと回答しているのですが、上がるか下がるか回答した人の割合では物件価格は上がると思った人が多く、空室率は下がると思った人が多いという結果になっています。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

2016年2月に東京都大田区で民泊条例の第一号の認定業者が出たばかりですが、民泊に対しての世の中の関心はかなり高いと感じられたのではないでしょうか。

「民泊」は近隣住民との騒音やゴミ出しなどのトラブルに加えて、犯罪利用をされる可能性もあるので、そういったことをどのように防止するのかという意味でも関心が高いのかもしれません。

こういった意識調査の結果を考慮しながら、法令などのルール作りを進めていってもらいたいと思います。

 

 

 

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行政書士・宅建士 横関雅彦
民泊申請専門行政書士・民泊運営コンサルタント。旅館業許可申請などの民泊ビジネスの申請サポート及び運営コンサルタントを行う。宅地建物取引士の資格も持ち、不動産売買の面でも民泊ビジネスをサポート。 また、総合旅行業務取扱管理者の資格も持ち、将来的に旅行業と民泊をつなぐサポートも展開したいと考えている。