不動産の譲渡所得税|民泊を始めるための税金の基礎知識

[記事公開日]2016/02/08
[最終更新日]2016/03/21
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譲渡所得税

民泊ビジネスをご検討の方は、別の仕事をしながら民泊の収入を得る予定という方も多いのではないかと思います。

不動産で収入を得る場合、所得税に関しては非常に注意が必要だと思います。

所得税というのは、所得に対して課税される税金ですが、不動産の譲渡による所得に課税される所得税は他の所得と分けて課税されます。(所得税に関しては『所得税・住民税』で詳しくご説明していますので、ご参照下さい)

このページでは、不動産を売却した時に課税される「譲渡所得税」に関して、詳しく見ていきたいと思います。

このサイトは自宅ではなく、民泊用に投資目的で購入した物件を前提としていますので、「非居住物件」の売買に関する譲渡所得税を見ていきます。(マイホーム等の居住用物件は非居住用とはことなった控除や特例がありますが、このページでは詳しい説明は省略していますのでご注意下さい。)

 

不動産の譲渡所得税って、他の所得税とどう違うの?

譲渡所得税とは所得税には「総合課税」といっていろいろな種類の所得を合算した金額に課税する方式と、「分離課税」といって他の所得と合算せずに特定の所得に課税する方式の2種類があります。(総合課税と所得の種類に関しては『総合課税って、何?』をご参照下さい)

不動産の売却による所得は「分離課税」なので、他の所得とは合算せずに課税されます。

 

投資用不動産の譲渡所得税って、どうやって計算するの?

譲渡所得を計算する場合、まずは収入から費用を差し引いた「所得」を計算します。

譲渡所得=譲渡収入-(取得費用+譲渡費用)

となります。

 

譲渡収入って、どんな収入?

譲渡収入には土地や建物などの不動産の譲渡代金に加えて、固定資産税・都市計画税の精算金も含まれます。

固定資産税や都市計画税はその年の1月1日の所有者が納税義務者になるのですが、慣例上、1月2日以降に不動産を購入した場合は、売買以降の固定資産税・都市計画税を新しい所有者が負担することになります。その新しい所有者が負担する固定資産税額を、売主は「清算金」として受け取ります。この清算金も譲渡収入に含まれるのです。

(固定資産税・都市計画税に関しては『固定資産税・都市計画税』をご参照下さい。)

 

取得費用って、どんな費用?

不動産を譲渡した場合、その不動産の購入代金と、不動産業者への仲介手数料、印紙代、登記費用、不動産取得税といった購入時にかかった費用を「取得費用」として「譲渡収入」から差し引く事が出来ます。このように実際の費用を計算する方法を「実額法」と言います。

しかし、土地が先祖代々受け継がれたもので購入額や取得費用が判らないというケースもあります。そういった場合は「概算法」といって譲渡収入金額の5%を取得費用とする方法を取ります。

取得費用は、次のどちらかの金額の大きい方になります。

  • 実額法:不動産購入代金と取得に際してかかった費用を合計した金額から、減価償却費を差し引いた金額
  • 概算法:譲渡収入金額×5%

 

譲渡費用って、どんな費用?

譲渡費用とは、自分の不動産を売った時にかかった費用です。

例えば、買主を見つけてくれた不動産会社へ支払う仲介手数料や売主として負担した印紙代、測量費、立ち退き料などが「譲渡費用」になります。

 

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税は不動産の所有期間によって税率が変わる、という点がポイントになります。

譲渡する年の1月1日の時点で、所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」となり、5年を超えている場合は「長期譲渡所得」となます。

<非居住用不動産の譲渡所得税>

  • 短期所有 39.63%(所得税30.63% 住民税 9%)
  • 長期所有 20.315%(所得税15.315% 住民税 5%)

※復興特別所得税として所得税の2.1%相当含む。

見て頂くと判るように、短期譲渡所得と長期譲渡所得では約2倍も税率が変わりますので、十分注意をして下さい。

また、短期と長期を決める「1月1日時点」という条件も忘れないようにして下さい。例えば、平成20年6月10日に購入した物件を平成25年10月10日に売却した場合、平成25年1月1日時点では5年を超していませんので、短期所有となります。

つまり、「不動産を取得した年に「6」を足した年以降に売却すると、長期譲渡所得となる」ということになります。

 

居住用の特例って、どんなものがあるの?

このページでは詳しく下記ませんが、冒頭で「居住用不動産の譲渡所得税には非居住用と違った控除がある」と書きましたように、3,000万円特別控除の特例や10年超所有軽減税率の特例、特定居住用財産の買換え特例のようなさまざまな特例があります。

ご自身がお住まいの不動産を売買する場合は、こういった特例をきちんとお調べになるか、専門家にご相談されるのが良いかと思います。

 

まとめ

まとめいかがでしたでしょうか。

不動産投資は、買う時も、運営する時も、売る時も税金がかかります。さらに、いろいろな条件下で税率や課税対象となる額も変わりますので、そういった点には特に注意が必要です。

「不動産の譲渡所得税」の場合、「所有期間」によって税率が大きく変わる点が非常に重要ですので、この点は忘れずに覚えておいて下さい。

 

 

 

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行政書士・宅建士 横関雅彦
民泊申請専門行政書士・民泊運営コンサルタント。旅館業許可申請などの民泊ビジネスの申請サポート及び運営コンサルタントを行う。宅地建物取引士の資格も持ち、不動産売買の面でも民泊ビジネスをサポート。 また、総合旅行業務取扱管理者の資格も持ち、将来的に旅行業と民泊をつなぐサポートも展開したいと考えている。