東京都大田区は2016年2月12日、いわゆる民泊条例に基づいて申請された物件を全国で初めて認定しました。
(民泊条例に関しては『民泊条例とは』をご参照下さい。)
ついに国家戦略特区での民泊施設営業が全国で初めて始まることになります。
「民泊第1号」として認定されたのはインターネットで宿泊仲介サービスをおこなっている「とまれる」(東京都千代田区)。
この「とまれる」が申請した2つの物件が認定されました。
1軒目はJR蒲田駅から徒歩14分の広さ約50㎡の1LDKの築60年の木造平屋建ての物件。
この物件は4人定員の宿泊を想定しているとのことです。
2軒目の物件は同じくJR蒲田駅から徒歩3分のマンション1室で、広さ約25㎡の2人定員の物件
12日午前に大田区の松原忠義区長が「とまれる」の三口聡之介社長に認定書を手渡しました。
「とまれる」は15日ごろから予約を受け付ける予定で、1室当たり1泊1万~2万円前後を予定しているとのことです。
大田区へ民泊申請があったのが、まだこの2物件のみというところが、7日以上の滞在など民泊条例の条件の厳しさを物語っているのかもしれません。
三口社長が「2年間、準備してきたものが、認められてほっとしている」とコメントしているように、認定されるには周到な準備が必要だということもうかがえます。
大田区の民泊の主な要件は、フロントの設置は不要で、滞在期間は6泊7日以上、建物や敷地から10メートル以内に住む住民への周知、防火設備の充実、分譲マンションでは管理組合の同意などとしています。
申請が少ない事に関しては、以下のようなコメントもあります。
厚生労働省と観光庁が議論を進める全国ルールでは「1泊2日以上」から認められる公算が大きく「国の方針が決まった上で判断する事業者もいる」(担当者)
1泊2日を認めるとなると、旅館業とどこが違うのか?という別の議論が出てきそうですが、そこまで規制緩和するとなると申請する業者はかなりの数になると思います。
現在、グレーゾーンを言われながら、ほぼ違法状態で行われている民泊に関しても以下のようなコメントが出ています。
区の担当者は「今までグレーだった民泊が白か黒に判別されることを避けているのかもしれない。正規の民泊が広がり、従来、営業している民泊が淘汰されることを期待する」と話している。
確かに消防設備などを入れるのは費用がかかるので、今のようにグレーという位置で営業したいと思う業者もいるかもしれませんが、宿泊客の命に関わることなので、最低でも消防設備に関しては旅館業法又は民泊条例に準じた設備を設置しておいて欲しいと思います。
まだまだ課題はありますが、まずは民泊ビジネスが大きな第一歩を踏み出したということになると思います。